時差の効用

朝、7時に起床してまずPCに電源を入れる。
もちろんメールチェックのため。
カリフォルニアの午前7時はイギリスの15時。彼らの帰宅時間まで1時間半程度はやり取りができるため、緊急案件がないかどうか確認。

午前9時。
イギリスのオフィスは営業終了。ただし、キーマンの2名は帰宅以降も仕事をしているのであと5時間くらいは連絡がつく。
日本からのメールでこの2名のキーマン宛てのメールを確認。(この時間、日本は午前1時なのでもう担当者は捕まらない。)
日本とこの英国企業の間のギャップを埋めるべく調整事項で午前中が過ぎる。
言葉の壁、業務の進め方の違い、当たり前が当たり前でない商慣習の違い。
ささいなことで意識のズレ、温度差が発生する。

〜午後5時
日本が出勤してくる午後5時までの時間が私の作業時間帯。
朝、受け取ったメールにあった翻訳依頼を片付ける。
日本と同じ時間帯で仕事をしてくれるベンダーを希望する日本企業も多いけれど、時差を活用すると退社前に依頼したタスクが翌朝出勤までにデスクに到着しているというメリットがあることに気がつかないことが多い。

午後5時から午前0時
日本とのやり取りで、チャット状態になることもある。
電子的な通信の効用で、数時間のうちに何度もやり取りができる。
生産効率が高い。仕事がはかどる。
電話と異なり、送信者は自分の都合が良い時に連絡し、受信者は自分の都合が良い時にその連絡を受けることができる。非同期通信のメリットだ。
もちろん、至急を指定することもできるし、最悪テキストメールを携帯に送り、「大至急」「緊急」の対応を要請することもできる。

午前0時〜
日本、イギリス、カリフォルニアをつなぐ電話会議はたいていが真夜中を過ぎてからになる。
通常業務(顧客との打ち合わせ)の後が好都合の日本、時間内業務が大前提のイギリスに合わせると、必然的にカリフォルニアは真夜中の時間帯となる。
技術系の電話会議だと数時間を要するので、途中で夜食を食べたくなる。
日本の人達は夕食も食べずに残業していると思うと気の毒だ。
電話会議の後、日本の担当者にサジェスチョンしたり、アドバイスしたりする。彼らも私と直接話をする時間が取れるのは今頃の時間だけ。

そんなこんなしていると、夏の空が白んでくる。
こんな生活に充足感を感じてしまうこと自体が問題かもしれない。