簡単な文を作る。「例:私の名前は何某です。」

左右非対称だったり、どちらの側が機能していなかったり、文が作れない場合は、脳卒中が疑われる。

でも猫ではこの簡単な確認試験ができない。
もうペットホスピタルの営業時間は過ぎている。脳溢血ならどうすることもできないし、翌朝一番で病院に連れて行こうかと考えていた。

インターネットの力は凄い。主人が「猫+急性失明」で検索をかけたら、慢性腎疾患や高血圧の猫には網膜剥離による失明が多いという記事が見つかった。(猫には尿道閉塞による慢性腎機能障害とその結果による高血圧は少なくない。)検索できた資料によると、発見、手当てが早ければ視力を回復できるかもしれないとある。即、救急病院へ駆け込むことにした。

結果から言うと、診断は、高血圧による網膜剥離。通常160程度であるはずの血圧が230もあった。22歳+腎不全の既往+慢性腎機能障害+甲状腺亢進症に加えて、高血圧もあったのであろう。致命傷ではなかったが、突然の失明はありえるのだということがわかった。

左は100%、右は50%の網膜剥離だった。両方同時に剥離したのではなく、左が先行して剥離していたのに私が気づかなかったのかも知れない。処置は薬による血圧降下。発見と対応が早ければ、血圧降下対処で、剥離していた網膜がまたくっつく可能性もなきにしもあらずだという。インターネット上の情報によれば早ければ72時間程度で回復が見られる場合もあるとか。万が一、失明しても、猫はいずれ暗闇の世界に慣れてそれなりに生活できるようになるらしい。(確かに猫科は夜行性のはず。)

猫を飼っている皆さん方へ。
大事なことは迅速な対応。その後の対処としては、家具の位置や猫用トイレ、えさをやる場所などを変えないこと。

日頃の健康管理としては、腎疾患の既往がある場合は、普段から血圧をチェックしておくかまたは時々目を覗き込んで、白濁や瞳孔散大がないかどうかをチェックすること。歩き方に注意して、物にぶつからないかどうかも要確認事項である。

A cat has nine lives. My cat has some used but he still has several left. I wish him good luck and swift recovery, and hopefully he will get at least part of his eye-sight back. Poor cat.