Better be safe than sorry

昨日、東京(成田)からSFへ戻るフライトでの出来事。

私が乗った○○便は、定刻に搭乗開始となり、ほぼ満席の状態で定時にドアが閉まり出発となりました。
ゲートを出てから方向転換をして誘導路に入るまでの時間がいつもよりは多少長かったような気がしないでもないでしたが、普通に離陸したのです。


この航空会社の場合 離陸してからも巡航高度に到達するまでは機内映画が始まらないので、画面には地図を表示して見ていました。初めは何となく見ていただけだったのですが、ふと気がつくと、飛行機マークが成田の方を向いて飛行しているではありませんか。



???


画面をリセットし忘れたのかしら?
逆走しているように飛行を続ける画面の中の飛行機マーク。
窓の外を見ても雲海の中を飛行しているらしく、海も陸も見えません。
おかしいなぁ? 
と思っているうちに、軌跡はU字を描き始めています。やっぱり飛行機は成田へ向かって飛んでいるように見えます。
私の画面だけ? と周囲を見渡すと、他の座席の画面でもはっきりとUターンしているのがわかります。
しかも「離陸後の飛行時間:30分」「目的地までの飛行時間:7分」と表示されているのです。

マズイ。この飛行機、成田に戻っている!!!
私の周囲で同じように地図を見ていた乗客たちがざわめき始め、乗務員呼び出しボタンも鳴り始めました。


「皆様、お客様の中には異臭に気が付かれた方がいらっしゃるようです。もしかしたら煙っぽいものを感じた方もいらっしゃるかもしれません。計器に異常は表示されていませんが、念のため成田に引き返し、整備員に確認してもらうことにしました。確認は5分程度でできるはずです。確認終了後またすぐに出発します。」


あちゃぁ。電気系統の故障かぁ。場合によっては「5分の整備チェック」ではすまないなぁ。このSF行きは成田発本土向けの最終便。もしキャンセルになったらホノルル経由か明日まで足止めだわ。
まあ、翌日は日曜日だし、仕事に影響が出るわけでもないのでのんびり構えている私。

そのまままもなく機体は成田へ着陸したのでした。

〜〜〜〜〜

「ただ今ゲートに到着いたしましたが、お客様はそのままお座席にはお待ちください」のアナウンス。
これは良い傾向。(乗客を降ろすのは、整備が長時間化することが予想されることを意味するので。)
10分程度で、ペーパーワークを持った整備士が機内を歩いて来る姿が見えました。
どうやら、「整備に5分」という機長の予測は間違っていなかったようです。
このまますぐにまた出発かなと思ったところにまた操縦室からのアナウンスがありました。

「皆様、モーター線の被覆部が焼けていましたが、モーターには影響がないことが確認されました。これからまた出発いたします。けれども、離陸直後の燃料満載状態で着陸したため、重量オーバーでブレーキに大きな負担がかかりました。滑走路の端まで使ったのはそのためです。これからブレーキが冷えるまでしばしお待ちください。」

確かに5200マイル分の燃料を投棄するというもったいないことをせずに着陸を試みれば重量オーバーでブレーキが過熱するのは当然のこと。

今度はキャビンアテンダントからの放送。
「この飛行機は、45分以内に離陸する予定です。洗面所のご利用は自由ですが、お降り頂くことはできません。他の乗客の皆様はお座席にてお待ちください。お乗り継ぎのあるお客様のフライトはただいま係員が変更しておりますのでご安心ください。」
ざわめき立つ機内。

結局、その放送からわずか15分程度で再出発が決まり、(45分待つことなく)再びゲートを離れた本機だったのです。

〜〜〜〜〜

何事もなかったかのように飛行を続ける○○便。
しかも最高時速160マイル、常時80マイルもの追い風に押されています。(これはかなりの追い風)
飛行時間も最短記録に近い8時間と10分。

SFの滑走路にタッチダウンする瞬間はかなり緊張しました。なぜなら22日に、インドのマンガロール空港で着陸時に滑走路をオーバーランしたエア・インディア航空機が炎上、160人近くの犠牲者が出たばかり。タッチダウンできても安心できないと思っていたからなのです。


機体は、無事に滑走路上で停止し、そのまま誘導路を走ってゲートに到着しました。
結局、成田発は2時間半以上遅れましたが、強い追い風のおかげで到着は1時半程度の遅れで済んだことになります。
1時前の到着なら、東海岸への乗り継ぎにも支障は出なかったはず。影響は最小限に食い止められたと言えるでしょう。


飛行機に乗る回数が多い私ですので、確率的に言えばエンジントラブルに巻き込まれる高いのですが、問題はせめてロストバゲッジ程度にとどまって欲しいです。