グローバルビジネスセンスを磨く!

某社の中堅エンジニア向け講演会で「グローバルビジネスセンスを磨く」というテーマで話をした。
会社は「グローバル企業になる」という大きな目標を掲げ、「売り上げの半分は海外市場から」という具体的な目標も明示している。そこで社員にはグローバル企業として活躍できるビジネスセンスを磨いてほしいと期待している。

グローバルなビジネスセンスとは何か。
 多様性
 文化や価値観の違い
という意見が出た。

多様性や文化、価値観の違いを認めるということは、まず自分の意見、自分の価値観をしっかりと持っていることから始まる。
自己という主体なくして、価値観の違いが認められるはずがないのです。

自分の意見があり、それが他人の意見と異なることを知り、どちらが正しいとか間違っているとかいうことではなく、意見の相違であることを認識し、ある目的に対してどちらの意見の方がより適しているのか(ベターなのか)を判断すること。
これがグローバルビジネスセンスの第一歩だと思う。

  • 自分の意見を持つ。
  • 他人の意見に耳を傾け、その内容を理解する。
  • どちらがより適切なのか判断するための判断基準が理解できる。
  • (判断基準が理解できるということは、目的(ゴール)がちゃんと把握できているということでもある。)
  • 各々の意見の長所、短所、制約、メリットなどが評価できる。
  • 結論がだせる(どちらの意見を採用するかを判断できる)

自分の意見を言わないと、言わないだけなのか、言えないのか、意見を持ってすらいないのか、他人にはわからないのである。
しかも他人は(特に外国人は)「察してくれる」ということをしない。
「察する」かわりに相手の言葉に「耳を傾ける」のである。
日本の文化は「気を使ってくれる」「察してくれる」「配慮してくれる」ことを当たり前と思っているが、国際的にはその常識は常識ではなくなる。
だから言わないとわからないのである。ただし、「自己主張」と「我を通す」とはまったく別のものであることにも注意しなくてはいけないが。
いいならいい、嫌なら嫌、どちらでもよければ「どちらでもよい」とはっきり言ってほしい。
「わからない」や「特に希望はない」も自分の意見なのである。

それにしても、何をどうしたいのか、が頭の中でちゃんと整理できていない人のなんと多いことか。
ディレクトリやフォルダを使わずに、すべてのデータをリポジトリの中にそのまま放り込んでいるようなものだ。