Triple failure

通常、コンピュータシステムの障害対策を講じる場合、「同時に2つの障害が重なることはない」という前提に基づいて設計することが多い。

実際には、ある障害がトリガーになって、別な障害に発生し、結果的に二重障害になることはよくあるのだが、独立した2つの障害が同時に発生する確率は無視できる程度に小さい、と考えるのが業界の常らしい。

それでも、慎重を期さなければならない場合は、single bit correction, double bit detectionのように1つのエラー(ビット反転)は修復可能で、2ビットエラーは検出可能という技術も良く使われる。

ところが今日のハプニングは三重障害だった。

買い物に出た先でトイレを借りた。
ある程度、掃除が行き届いているトイレだった。

用を済ませて流そうとしたら、あらら、レバーがもげている。
えっ!?
ネジ式でもなさそうだし、はめ込み式でもなさそうなレバーは、元に戻りそうもない。
仕方がないので、水槽の蓋を開け、マニュアルで水を流そうとした。

ところが、浮きは沈んだままで全然水が溜まってこない。きっと栓が密封せず水がもれ流れているため水槽にたまらないのだろう。底にわずかに溜まっていた水を流した後、栓の部分をいじってみたが、水が溜まる気配はない。

そのうち、便器の水位が上がっているのに気が付いた。
えっ、詰まっているってこと?
これこそ一大事。これ以上流さなければ、あふれることはないが、このまま放置して逃げてしまうわけにも行かない。
幸運なことに横にはプランジャ(plunger)が置いてあったので、これを利用。
これがまた、先に突起が付いたタイプのプランジャなので密封状態を作りにくく、なかなか吸引がうまく行かない。

何でこういうことになるの? ちょっとパニック!

でも何度か繰り返すうちに、とりあえず、次の人に迷惑をかけずに済む程度には後始末をすることができた。

外出先で利用したトイレが詰まっていて困ったことは以前にも一度だけ経験がある。
タンクに水がちゃんと溜まらず、浮きを調節したこともある。
でも、流水レバーが取れた(取れていた)というのは初めてだ。
しかも、水槽に水は溜まらず、そのうえトイレは詰まっていたというのは前代未聞。
こんなことがあってよいものか。

二度あることが三度あっても、以前の教訓が生かせる可能性はある。
でも、三重障害はお手上げだ。
二度とこういう目に遭いませんように。